2019年スペイン海外研修レポート
selesta(輸入販売や海外事業)

2019年6月25日~30日でスペイン研修に行って参りました。今回のルートはマドリッド→ムルシア→サンセバスティアン→バルセロナです。ムルシアでは、弊社自社輸入アイテムの中で断トツの取引量を誇る「カサ・ロホ」のヘッドオフィス兼ワイナリーを訪問。今回はワイナリーの周りに点在する畑を中心に見学し、カサ・ロホが造るワインの哲学をしっかり学んできました。また、飲食業界から注目を集める美食の街・サンセバスティアンも訪れ、繁盛店視察もして参りましたので、併せてお伝えしたいと思います。
CASA ROJO(カサ ロホ)

到着すると社長のホセさん、奥様のラウラさん、輸出担当、デザイナーといったスタッフさんたちがお出迎えくださいました。この時期、ちょうどアフリカからの熱波の影響でムルシアの気温は40度に達するほど。しっかりと暑さ対策をして車に乗り込み、ワイナリー周辺にある畑に向かいました。
「マッチョマン」を造りだすブドウと熟成~畑編~

まずはカサ・ロホのフラッグシップワインである、「マッチョマン」に使われているモナストレルの畑から見学です。
カルチェ山脈とピラ山脈の間に位置するこのエリアはラ・ラハと呼ばれる地域で、「傷」という意味を持つ、かつて川が流れていた場所。そのため畑に転がってい
る石は、削られ丸みを帯びていました。モナストレルが植えてある3か所の畑は、樹齢が20~80年と様々。80年の木からはひと枝から一房(2.5キロにもなる!)のみ収穫するように手入れするとのこと。それほどまで収量を絞ることが、マッチョマンのあのたくましい味わいにつながっているのだと確認しました。
また、畑同士が近くても土壌は全然違うため、同じ品種でもタイプの違うブドウが育つのだそうです。土に目を向けるといずれも非常に乾いた状態ですが、掘り
起こすと色が違い、少しひんやりとして微かに水分を感じます。ブドウはこの水を求めて根を下へ下へ深く伸ばします。周りには灌漑をして水を与えている畑も見受けられましたが、カサロホでは行いません。水を与えてしまうと根が上に向かって伸びてしまい、木が枯れてしまうのだそうです。そして風が重要な役割を果たしています。見学中も終始風が吹いていましたが、この風が湿気を取り除き病気を防いでくれるので自然な栽培方法が実現します。
「マッチョマン」を造りだすブドウと熟成~醸造所編~

ワイナリーに戻り醸造施設の中へ。ここからはワインメーカーであるフランス人のパトリックさんも合流して進んでいきました。パトリックさんは2015年から同ワイナリーに加わり、それまでの革新的なワインに、古典的なボルドーの醸造技術をプラスしました。カサ・ロホが生み出すワインの味わいは、モダンな哲学とフランスのクラシカルな哲学の融合によってなせる業なのですね!それ故、マッチョマンの醸造方法をとってみても常に同じではありません。現在はアンフォラ、樽、ステンレスそれぞれで熟成されたキュヴェをブレンドしています。常に自分たちのフィロソフィーに合う方法を模索して変化を遂げているからこそ、世界65か国という多くの国で受け入れられているのだと納得です。
ワイナリーでのディナーはワインとのペアリングを意識したもの。カヴァ、白、ロゼ、赤と、カサ・ロホのワインを目一杯楽しませていただきましたが、いずれも料理との相性はもちろん、たくさん飲んでも飲み疲れしませんでした!ここにも多くのお客様から選ばれる理由があるのだと、身をもって体験しました。
一足先に新商品情報を。ホセさん、ラウラさんが出会った地ということもあり、日本好きが高じて「ハル」と名付けられたロゼワインに続き、「ミナミ」という凝縮感のある赤ワインも柴田屋で取り扱う予定です。こちらは標高900mで栽培されるシラー100%で、ブドウが栽培できる土壌の境界線の“一番南で育てている” ことから名付けられました。ファーストビンテージの2016年の入荷まで乞うご期!!
美食の宝庫!San Sebastián(サンセバスティアン)

美食の文化で知られ、星付きレストランが数多く存在するサンセバスティアン。有名レストランだけでなく、ピンチョスといったタパスが気軽に楽しめると、バル巡りの聖地としても沢山の人が訪れる街です。私たちも体力の続く限りお店をハシゴし、繁盛店のすごさを味わって参りました!
自分達の信念に沿ったワインを造るためには変化もいとわないカサ・ロホの哲学は、柴田屋の理念と通ずるところがあり、だからこそ、この素晴らしい商品をより多くのお客様に知っていただきたいと改めて感じた研修となりました。
今回ご一緒いただいた魚金様、ザート商会様、DREAMON COMPANY様、ライナ様ありがとうございました。